生豆を熱エネルギーによって化学反応を起こさせ、香り、コク、苦味、酸味、甘味といったその生豆独特の美味しさを引き出すプロセスを焙煎といいます。
緑の生豆は約15分間の焙煎の後に湿気をなくし豆自体が割れ黄色に変色します。この「割れ」が生じた際の豆の大きさは2倍近くなり、徐々に薄い茶色になっていきます。このプロセスが終わると温度が下げられ、豆はみるみるうちにこげ茶色に変色します。その後、自然に熱が下がり焙煎が終わります。
焙煎の度合いのことを焙煎度といい、焙煎度の高いものを深煎り、低いものを浅煎りと呼びます。深煎りされたコーヒー豆は黒褐色で表面に油がにじみ出ています。焙煎の度合いで香り、コク、苦味、酸味、甘味の強弱がある程度決まります。一般的に深いローストでは苦みが強く、浅いローストでは酸味が強くなります。コクと甘味については、どのロースト具合が良いとは一概にいえません。
いずれにしても味や香りの強弱は、生豆の種類と品質、焙煎機の種類と性能、焙煎方法、焙煎士の力量の違いによって変化します。コーヒーの苦味や酸味などは焙煎の度合いで決まりますが、焙煎でできることはあくまでも生豆の成分を熱エネルギーによって変化させることであり、生豆が本来持つ資質を超えるものを引き出すことはできません。
ご自分の好みの焙煎の度合い(ロースト・グレード)を知ることでコーヒーを楽しむことができます。
もっとも浅い煎り方で渋みと酸味が強くでます。苦味や香りは強くありません。
一般的な浅煎りです。色は名前のどおりシナモンカラーで、ライトローストに比べ苦みはなく、そのかわりに香りと酸味が増します。
さわやかな甘い香りがします。豆個々の味がはっきり区別でき、口あたりがスムーズな味わいです。酸味がやや抑えられ、苦みがでてきます。軽い味わいのアメリカンコーヒーにむいています。
ミディアムローストよりもやや強い煎りです。ブラックで飲むのに好まれる煎りだけに、酸味、苦味、甘みのバランスがとれています。日本では一般的な煎りとされています。
中煎りよりも深い煎りで、はっきりした酸味がありますが、酸味よりも苦味が増します。豆の持つ香りも強く感じられるようになるので、力強いコーヒーのコクが楽しめます。
甘く香ばしい、苦味とコクのある味わいです。シティーローストよりもやや酸味が抑えられ、そのかわりに苦味が増します。ブラックコーヒー、アイスコーヒーにむいています。
香ばしさと苦味があり酸味はほとんど感じられません。ローストが強いため、苦味が一層強くなり、豆はダークブラウンで豆の油が表面ににじみでます。ウィンナーコーヒー、ミルク入りのコーヒーにむいています。フランスの一般的な煎り方だけにカフェオレにもむいています。
豆の色は黒に近く、一番強い深煎りです。炭になる直前まで深く煎っているため、べったりと油が豆を包み込み、香ばしく、深い苦味と濃厚なコクがあります。イタリアのナポリを中心にエスプレッソで飲まれています。また水出しアイスコーヒーにむいています。

